「編曲=自由=無限の可能性」

みなさんこんにちは、「Cue」アシスタントディレクターの玉置です!

インタビュー企画 第2弾です!前回、サークル代表(村井さん)へのインタビューでJP-actには社会人など様々な方がいるとわかりました。ということで、今回はアカペラ歴6年の社会人、萩原一博さん(サークルネーム:はぎさん)にお話を伺いました!

 

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※ものすごい文章量になりました。でも、とってもためになると思います!!ぜひゆっくりじっくり読んでください。

 

―萩原さんがアカペラを始めたきっかけや、理由は何ですか?

 

萩原:アカペラを知ったきっかけは多くの人と同じでハモネプなんですが、始めたきっかけは海外のプロアカペラグループであるTAKE6ですかね(笑)ちょっと話すと長くなるんですけど…

 

ーぜひお願いしますっ!!

 

萩原:では、遠慮なく!(笑)中学とか高校で合唱祭ってあるじゃないですか。まず僕は合唱にめちゃくちゃハマったんですよ。野球部なのにクラスのやる気ある女子以上にやる気がありました(笑)それで中学とか高校の時から、合唱を某動画サイトで検索しまくってたんですね。それと丁度同時期にハモネプという番組もテレビで定期的に放映されてて、「ほう、アカペラってすげーんだな」と、アカペラを知ったわけです。そしていつの日か動画検索は合唱よりもアカペラに関するものが多くなりました。そこで、出会ってしまったんです、TAKE6に。今まで日本のしかもアマチュアであるハモネプしか聞いたことがなかった僕にとってTAKE6の歌は衝撃的でした。そして大学に入ったら絶対アカペラをやろう!って決めたんです。ちなみにTAKE6の曲はアカペラ6年間やっていて2曲しかやっていません(笑)

 

ーなるほど!そんな経緯があったんですね!

 

萩原:あと、もう一つ補足なんですけど、実は高校でアカペラにハマった時に、高校内の有志を募って既にアカペラやってたんですよね。それで文化祭とか合唱祭とか、卒業祭とかの行事に出演してました。それらのウケが滅茶苦茶良かったんですよ(笑)もちろん当時の演奏を今聞くと上手いなんて言えたもんじゃないんですけど、当時やたらワーキャー言われてたので、「アカペラはウケがいいからやっぱ大学でもやるしかないな!」と、そんなくだらない理由もあります(笑)

 

―萩原さんの人生を大きく変えた存在がTAKE6だったんですね!ちなみにそこまで衝撃的だったTAKE6の魅力とは何ですか?

 

萩原:たくさんありすぎて困るんですけど、一つに絞るのであれば「難解な和音をとても簡単そうに鳴らしている」所ですかねー。彼ら自身に難しいことをしているという認識は恐らく無く、それが歌っている姿、歌にも表現されているんですよね。一回聞いただけじゃとてもわからないような複雑な和音でさらっとハモってしまう。そんなTAKE6に脱帽です。アカペラをあまり知らないという方も是非、一度ネットで検索してみてください!

―ありがとうございます。そんなTAKE6の影響で始めたアカペラをもう6年も続けているとお聞きしたのですがなぜそれほど長くアカペラを続けているのですか?

萩原:それはもう好きだからとしか言いようがないですよね(笑)

 

―単純明快ですね(笑)アカペラのどこが好きなんですか?

 

萩原:声で鳴る和音が好きなんです。僕の母の言葉を借りるんですけど、「声は一番の楽器」なんです。ピアノとかギターとか楽器はもちろん正確な音が出ますので、必ずハモりますよね。楽器から出る音は綺麗です。ただ、人の声で本当にハモった時はすごいんですよ(笑)めちゃくちゃ綺麗ですし、自分が歌っていてハモった時は本当に気持ちが良いです。なんか歌っていてちゃんとハモると体がビリビリするんですよ(笑)その感覚が好きすぎて長くアカペラを続けていますねー。

 

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―現在平日はお仕事をされていて、休みの日はアカペラをされているそうですが、それでは体を休める時間がないですよね?

 

萩原:確かに土日両方アカペラをした次の週の月曜日からの仕事はきついです(笑)でもそれでも、アカペラ(趣味)をしてリフレッシュするメリットが大きいですね。平日はいつもアカペラのことを考えていて、週末のアカペラの為だけに、仕事をやれている感があるので(笑)

 

―萩原さんは歌うだけでなく楽譜をアカペラ用に編曲することもしているそうですが、同じく編曲をしている、あるいは編曲をしようとしている人に向けてなにかアドバイスなどありますか? 

 

萩原:難しい質問ですね。オリジナルの編曲って最初はなかなか難しいと思うので、できるのであればプロやほかのアマチュアグループの曲をいわゆる「耳コピ」することから始めるのが良いかなと思います。

 

ー聞いたものをそのまま楽譜におこしていくって感じですかね?

 

萩原:はい!僕も初めて編曲をしたころは耳コピから入っていましたし、耳コピは本当に学ぶところが多いです。特にプロの耳コピはいいですね。プロはやっぱりプロだけあっていい楽譜であることが多いです。音楽未経験の人の場合、楽譜が読めないとか、楽譜のルールが分からないと思うんですね。僕も野球部なのでもちろんわかりませんでした。ですが、まず聞いた音を楽譜に落とし込んでみるという作業を繰り返すことが非常に大事だと思います。そうすれば、嫌でも楽譜を読めるようになってくるし、なんとなくですが楽譜のルールとかもいろいろわかってきます。そして何より、当然いい楽譜を耳コピしているのでいい楽譜が出来て嬉しいです。

 

ーなるほど!音楽未経験の人はまず『プロの耳コピから』ですね!

 

萩原:もちろん、音楽経験者にも耳コピは当然意味のあるものだと思います。音楽経験者はある程度楽譜とか和音の知識がある人が多いので、そういった人は耳コピによって、アカペラ編曲において楽譜上で何が起きているのかを学ぶ場とするべきです。

 

ー楽譜上で何が起きているか?ちょっと難しいですね。

 

萩原:例えば、「なんか不思議に聞こえると思ったら、原曲のコード(和音)に比べて、ここがこう変化しているなー」とか、「すごく音の響きがいいなーと思ったら、こういう風に音が積まれているのかー」とか、「ここすごいドラマティックな展開だけど、この和音からこの和音に移るとかっこいいんだなー」とか・・・和音の使い方に限らず、リズムだとか、音域だとかまぁそれはそれは色々な発見があると思うんです。そして耳コピを続けているとあら不思議、いざ自分でオリジナル編曲をしようとした際に、あの曲のあの場面が自分で使えるようになるんです。「ここなんとなくあの曲のあの場面に似ているぞ」とか、「ここはどうしてもあの曲のあの感じにしたい」とかそんな思いが出てくればあなたはもう立派なアレンジャーです。

 

ーなんだかかっこいいですね!(笑)

 

萩原:自分の中で知っている知識や感覚をつなぎ合わせて、自分だけのオリジナルの楽譜をつくってみてください!ちょっとずるいですけど、有名な曲であれば、プロアマ問わずいろんなチームが歌っているじゃないですか。それらのどこか一つのチームを丸パクリするのではなく、場面ごとに別のチームの編曲を混ぜ合わせるのも立派な編曲だと思います。それだけで自分だけのオリジナルの楽譜になりますよね?ちょっと長くなってしまったのですが、とにかく編曲は経験が全てだと思います。皆さんも是非編曲してみてください!

 

―たくさんのアドバイスありがとうございます。ちなみに最初に編曲したのはいつですか?

 

萩原:高校2年の冬です(笑)耳コピですが(笑)さっきお答えした通り、高校時代に学校の有志でアカペラをやってたんですが、生意気ながら市販の楽譜があんまりカッコよくないなと当時から思ってました。それで、ハモネプに出てる人たちの楽譜の方が全然カッコいいじゃん!ということで、ハモネプの動画を某動画サイトで何度も再生させながら、耳コピしてました。もちろん精度は低かったです(笑)大学に入ってからは1年の後半くらいから、最初は耳コピを中心に始めました。長くやってますが、自分が満足いく楽譜が出来るようになったのはここ1,2年くらいですかねー。日々勉強を続けています(笑)

 

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―なるほど!それでは最後に編曲の魅力を教えてください。

 

萩原:「自由さ」が最大の魅力ですね。どんな曲をどんな風にアレンジするかも編曲者の自由です。時には周りからウケがよくないこともあるでしょう。それでも自分がやりたいように、自分を自由に表現すれば良いんです。それをまた自分達で上手く歌えた時は、最高に楽しいですよね。皆さんも是非、「編曲=自由=無限の可能性」にチャレンジしてください!

 

―たくさんのお話ありがとうございました!

 

萩原:こちらこそありがとうございました!

                          写真:岩田貴斗、小出明里